清算条項のテンプレートを解説付きで掲載‐離婚協議書作成

清算条項のテンプレートと例文

甲及び乙は、本協議書（本公正証書）に定めるほかには、名目の如何を問わず、金銭その他の請求をしないことを確認した。

清算条項とは夫婦間で合意した離婚条件について、離婚後、双方が蒸し返さないというトラブル防止（預貯金を折半で分配したのに７対３で分配してと蒸し返すなど）に役立つものです。

基本的に清算条項は離婚協議書や離婚公正証書を作成する全てのご夫婦が記載するべき条件です。（何か事情があり離婚後も離婚条件の話し合いを行う（先延ばし、持ち越し）場合、テンプレートを丸写しで記載してはいけないのでご注意下さい。

テンプレートの大事なポイントは２つ

１つ目はテンプレートには「本協議書」「（本公正証書）」とあります。
両方を書く必要はなくご夫婦が作成すると決めた書面の名称を書いて下さい。

離婚協議書を作成する場合は本協議書となり、離婚公正証書を作成する場合は本公正証書と書いて下さい。

２つ目は基本的にテンプレートの丸写しで問題ありませんが、
丸写しをする前に清算条項の意味を理解することを忘れないで下さい。

特に離婚時の状況が下記に該当するご夫婦の場合は注意が必要です。

〈注意が必要なご夫婦の例〉
夫「ある程度条件は決まってきたね。」
妻「ここまで決まったのなら離婚届を出したい。」
夫「わかった。今決まっていることだけ書面に残そう。」
妻「まだ決まっていない財産分与の条件は離婚後に協議しよう。」

離婚時の状況に応じて離婚届の提出を優先するご夫婦がいます。
例１）子どもの保育園の入園手続きをしないといけない。
例２）離婚原因が不倫で配偶者と同じ家に住むことが耐えられない。

このように一部の離婚条件の協議を離婚後（先延ばし）にする場合、上記テンプレートに「○○は除く」という主旨の但し書きを加えて下さい。○○には先延ばしする離婚条件（財産分与や慰謝料など）が入ります。

基本的に離婚条件の協議は離婚前に全て行うべきです。
つまりこのような一部の離婚条件を離婚後に協議するのは稀なケースです。

なお、全ての条件に合意してから離婚協議書や離婚公正証書を作成する場合、清算条項が欠けていると作成する意味が薄まるので書くことを忘れないで下さい。つまりテンプレートの丸写しで問題ありません。

テンプレートをコピペする時の２つの注意点

① 意味を理解せずにコピペしている
② 複数サイトのテンプレートをコピペしている

先ず離婚公正証書や離婚協議書を作成予定でテンプレートを利用する方はコピペを前提としています。

テンプレートには難しい言葉や言い回しが多く含まれています。
この結果、①意味を理解せずにとりあえずコピペをしている方が多いです。

意味を理解していない場合、離婚後にトラブルが起きるかもしれません。
トラブルが起きて後悔しないためにもコピペするなら意味を理解することが大事です。

〈離婚チェックシートの特徴〉
・全１３ページ６３項目の離婚条件の選択肢を掲載。
　養育費、面会交流、慰謝料、財産分与、年金分割などを掲載。
・書き漏れや不備などの不安や心配を減らすことができます。
・自分で離婚協議書や離婚公正証書の情報を集める時間は不要。
　効率の良い離婚協議や追加協議の回数を減らすことができます。

協議離婚では夫婦間の話し合いで養育費、面会交流、財産分与などの離婚条件を決めるという特徴があります。

そして夫婦間で決めた条件は口約束で終える、書面に残す、２つの選択肢から自由な意思で決めることができます。

書面に残すと決めた場合、離婚協議書又は離婚公正証書という書面を作成します。

当事務所では書面作成のご依頼を頂いた場合、オリジナルの離婚チェックシートを利用しています。

離婚時の年齢や婚姻期間に応じてメインテーマになる離婚条件は異なりますが、離婚チェックシートは全世代に対応しています。

〈メインテーマになる離婚条件の例〉
・子育て世代なので養育費や面会交流がメインテーマになる。
・子どもがいないので財産分与や年金分割がメインテーマになる。
・退職金や扶養的財産分与など離婚後の生活がメインテーマになる。

〈よくあるご相談内容〉
・何から始めたらいいか教えてほしい。
・離婚協議書や離婚公正証書について詳しく教えてほしい。

わからない事がわからないという状況の方は具体的な内容ではなくこのようなざっくりとしたご相談からのスタートでも大丈夫です。１つずつステップを踏みながら疑問を解消していきます。

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