
離婚慰謝料のひな形や文例(テンプレート)をわかりやすく解説

【目次】
○ 離婚慰謝料のひな形と文例
○ ひな形の1つ目のポイントは支払総額
○ ひな形の2つ目のポイントは始期と終期
○ ひな形の3つ目のポイントは分割支払額と支払日
○ 頭金を受取った場合のひな形と文例
○ ひな形をコピペする時の2つの注意点とは?
○ 離婚慰謝料の4つのQ&A
○ 離婚チェックシートの回答から始めませんか?
○ 無料相談から始めませんか?
初めまして、全国対応で離婚問題に力を入れている行政書士の辻 雅清と申します。
〈主要業務について〉
・離婚協議書の作成(全国対応)
・離婚公正証書の原案作成&代理作成(全国対応)
2010年に開業以来、様々なご相談とご依頼を受けてきた経験をこのページにてお伝えします。
ここでは離婚慰謝料の基本的なひな形や文例を公開します。
当事務所でも利用しているので自分で作成する予定の方は参考にして下さい。
注)わかりやすいように細かい表現や文言を削ったひな形です。
離婚慰謝料のひな形解説の前に1点だけ大事なことをお伝えします。
離婚協議書や離婚公正証書の作成目的は完成ではありません。
離婚後のトラブルや未払いを防ぐことです。この意識が欠けると後悔します。
ただ作る(完成)のでなく質にこだわって完成させることが大事です。
離婚慰謝料のひな形と文例
甲は、乙に対し、慰謝料として金100万円を支払う義務があることを認め、令和8年1月から令和8年10月まで、10回に分割して10万円を毎月末日までに、乙の口座に振込むことにより支払う。
慰謝料請求の可否は離婚原因に応じて決まります。
つまり離婚原因が不倫(不貞行為)やDVなどの場合に請求できます。
ひな形の1つ目のポイントは支払総額
慰謝料支払の合意ができた場合はひな形(文例)記載の通り、必ず決まった支払総額(金額)を具体的な数字(100万円)で書いて下さい。
この支払総額を抽象的な表現で書いた場合は離婚後のトラブルに繋がります。
例)甲は、乙が請求した金額(乙の言い値)を支払うことで合意した。
特に離婚協議書ではなく離婚公正証書を作成する場合、未払い時の強制執行に期待されているので具体的に書くことが大事です。
ひな形の2つ目のポイントは始期と終期
協議離婚は夫婦間の話し合いをベースに進めるものです。
慰謝料の始期と終期はご夫婦の自由な意思で決めることができます。
ひな形は分割払いですが一括払いの合意でも問題ありません。
むしろ一括払いの方が未払いリスクが減るので最良の支払方法となります。
一般的に慰謝料の始期は離婚届の提出月、又はその翌月となります。
ただ夫婦間で合意できれば離婚後の未来月(離婚から3か月後など)を始期にすることもできます。
なお、始期と終期は支払総額と同様に具体的な日付(数字)を入れて下さい。
例)慰謝料支払の始期を離婚届提出月とは書かずに令和8年1月と書く。
ひな形の3つ目のポイントは分割支払額と支払日
慰謝料の分割支払額は始期と終期と同じ考え方です。
つまり夫婦間の協議で具体的な分割支払額を決めることができます。
なお、分割支払額は支払者の経済状況を考慮することが大事です。
例)収入が多いので毎月20万円を5回に分割して支払う。
慰謝料協議の場では様々な感情が絡むことが多いです。
支払者の経済状況を無視した支払額になりやすいので冷静な判断が必要です。
例)不倫(不貞行為)したことが許せなくて高額な慰謝料を請求する。
支払日は支払者の時間的な余裕を確保することを目的として、支払者の給料日から5日以内に設定する(給料日に銀行ATMに出向くことが難しいなど)ご依頼者様が多い印象です。
ただ最近はネットバンキングが普及しているので給料日を支払日にする方もいます。
また未払い対策として自動送金(振込)の申込をする方も増えています。
一般的に慰謝料支払を分割払いにしたケースで必要となる、期限の利益の喪失事項のひな形と解説は割愛しています。(一括払いでも期限の利益の喪失事項が必要なケースもあるのでご注意下さい。)
「期限の利益の喪失事項」は大事な条件なので必ず調べて記載して下さい。
離婚慰謝料のひな形と文例(テンプレート)の解説はここまでとなります。
頭金を受取った場合のひな形と文例
金100万円の内、金40万円は令和7年12月25日に受取り、残り金60万円を令和8年1月から令和8年6月まで6回に分割して・・・
夫婦間協議の結果、支払額の一部を頭金として受取ることがあります。
例)慰謝料100万円の内40万円を一括で支払い残り60万円は分割にする。
つまり一括払いと分割払いの併用支払になるケースです。
この頭金は受取済みということで省略されやすいです。
離婚後のトラブル防止のためにも必ず証拠として記載して下さい。
なお、離婚後のトラブルとは慰謝料を受取る側に悪意があるケースです。
つまり「頭金は受取っていないから40万円を払って」という主張をすることです。
証拠として記載しておけばこのトラブルは起きません。
ひな形をコピペする時の2つの注意点とは?
① 意味を理解せずにコピペしている
② 複数サイトのひな形をコピペしている
先ず離婚公正証書や離婚協議書を作成予定でひな形や文例を利用する方はコピペを前提としています。
ひな形には難しい言葉や言い回しが多く含まれています。
この結果、①意味を理解せずにとりあえずコピペをしている方が多いです。
意味を理解していない場合、離婚後にトラブルが起きるかもしれません。
トラブルが起きて後悔しないためにもコピペするなら意味を理解することが大事です。
そしてひな形を利用する方は複数サイトから情報を得ていることが多いです。
なぜなら自分に合ったひな形が1つのサイトで全て見つかる可能性は低いからです。
例)Aサイトは浅いけど全般、Bサイトは養育費、Cサイトは不動産に特化。
各サイトによって表現や言い回しは異なります。
つまり複数サイトからひな形をコピペした場合は同じ条件を二重に記載している可能性があります。
この結果、まとまりがなくわかりにくい離婚公正証書や離婚協議書ができます。
冒頭でお伝えした離婚公正証書や離婚協議書を作成する本当の目的(質にこだわる)から逸れていきます。慰謝料のひな形や文例(テンプレート)を参考にするのはよいですが、利用する時は①と②を意識することを忘れないで下さい。
当事務所では離婚協議書などのチェックをする機会が多いです。
ほとんどの方がこの①と②の状況になっているので自分で作成する方はご注意下さい。
離婚慰謝料の4つのQ&A
① 慰謝料協議のポイントとは?
② 慰謝料請求をできない離婚原因とは?
③ 慰謝料請求ができる離婚原因とは?
④ 不倫が原因の場合の相場を知りたい
①慰謝料協議のポイントとは?の回答は以下の通りです。
離婚慰謝料請求の可否は離婚原因で決まります。
先ずは自分が請求の対象者になるか考えることから始めて下さい。
なお、協議離婚では夫婦間の話し合いで進めていきます。
慰謝料だけではなく養育費や面会交流などの条件も協議で決めていきます。
②慰謝料請求をできない離婚原因とは?の回答は以下の通りです。
離婚に至った原因が性格(価値観)の不一致の場合、慰謝料請求ができないので夫婦間での協議は不要となります。
ご夫婦ごとに離婚原因は異なりますが、一般的に性格の不一致で離婚される方が多いです。
③慰謝料請求ができる離婚原因とは?の回答は以下の通りです。
離婚に至った原因が不倫(不貞行為)やDVの場合、慰謝料請求ができるので夫婦間協議で慰謝料額などを決めていきます。
①の通り、協議離婚は夫婦間の話し合いで進めるので、ご夫婦ごとに慰謝料総額や支払方法(一括や分割など)はバラバラになります。
④不倫が原因の場合の相場を知りたい。の回答は以下の通りです。
具体的な支払総額は支払者の経済状況を考慮すべきです。
正直な話、慰謝料の相場は○円と具体的な金額をお伝えすることが難しいです。
例)年収200万円の夫に対して慰謝料300万円を請求するのは難しい。
以上のことから当事務所で離婚協議書などを作成するご依頼者様の場合、最終合意した慰謝料支払総額は50万円~300万円という大きな幅があります。
不倫の場合は裏切られたという感情が強く出ます。
このことから高額な慰謝料を求めがちですが現実的な判断をすることが大事です。
・養育費のひな形と文例を解説付きで掲載‐離婚協議書と離婚公正証書作成
・財産分与の雛形を解説付きで掲載‐子ども預貯金や生命保険も解説
・面会交流の文例や例文を解説付きで掲載‐考え方や決め方も解説
・年金分割の文例と書き方を解説付きで掲載‐離婚協議書作成
・通知義務の文例を解説付きで掲載‐離婚協議書と離婚公正証書作成
・清算条項のテンプレートを解説付きで掲載‐離婚協議書作成
・中傷禁止条項のひな形を解説付きで掲載‐離婚協議書と離婚公正証書作成
このページ以外にも内容が充実した離婚ブログを掲載しています。
お時間があれば離婚に役立つブログの記事一覧もご覧下さい。
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〈離婚チェックシートの特徴〉
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効率の良い離婚協議や追加協議の回数を減らすことができます。
協議離婚では夫婦間の話し合いで養育費、面会交流、財産分与などの離婚条件を決めるという特徴があります。
そして夫婦間で決めた条件は口約束で終える、書面に残す、2つの選択肢から自由な意思で決めることができます。
書面に残すと決めた場合、離婚協議書又は離婚公正証書という書面を作成します。
当事務所では書面作成のご依頼を頂いた場合、オリジナルの離婚チェックシートを利用しています。
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