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面会交流のひな形や決め方をわかりやすく解説

離婚ブログの著者は行政書士の辻雅清

離婚協議書や離婚公正証書原案作成に役立つひな形をお伝えします。

ここでは面会交流の基本的なひな形(テンプレート)を公開します。
当事務所でも利用しているので自分で作成される方は参考にしてください。
注)わかりやすいように細かい表現や文言は削ったひな形です。

面会交流ひな形の解説の前に1点だけ大事なことをお伝えします。

離婚協議書や離婚公正証書の作成目的は完成ではありません。
離婚後のトラブルや未払いを防ぐことです。この意識が欠けると後悔します。
例)離婚条件を書面に残したのにトラブルが起きていたら作った意味がない。

【目次】

○ 面会交流のひな形と文例
○ ひな形の1つ目のポイントは面会交流の実施回数
○ ひな形の2つ目のポイントは面会交流の実施条件
○ 面会交流の条件は細かく決めるべき?
○ 面会交流での抽象的な合意とは?
○ 面会交流の条件を具体的に書く時のひな形
○ ひな形を利用する時の2つの注意点とは?
○ 夫婦間で共有すべき面会交流への考え方とは?
○ 面会交流の決め方のポイント
○ 子どもが10歳前後の場合はどう決めたらいい?
○ 離婚チェックシートの回答から始めませんか?
○ 無料相談から始めませんか?

面会交流のひな形と文例

乙は、甲が1か月に2回、長男と面会交流することを認め、日時や実施場所については、面会交流の都度、甲乙間で協議する。

面会交流とは子どもの成長に欠かせないものです。
夫婦間にわだかまりがあっても子どもの意思や希望を尊重することが大事です。

ひな形の1つ目のポイントは面会交流の実施回数

協議離婚は夫婦間の話し合いで離婚条件を決めていきます。
面会交流の実施回数(頻度)も離婚後の生活環境などに応じて決めれます。

具体的には離婚後に親権者(主に母親)が実家に戻る場合、
距離的な問題があるので面会交流の実施回数を多くすることは難しいです。
例)子どもは大阪で父親は和歌山なので1か月に1回会うことが限界。

なお、実施回数はひな形のように回数を決めなくてもいいです。
「父親と子どもが望んだ時」といった自由に実施できるという合意でも構いません。

ひな形の2つ目のポイントは面会交流の実施条件

ひな形では都度協議という抽象的な合意をしています。
これは子どもと父親の状況などに応じて決めるという柔軟性を持たせています。
例)次回の交流日は仕事があるから普段より2時間短縮する。

抽象的な合意の詳細は面会交流での抽象的な合意とは?をご覧ください。

ただ離婚時の状況に応じて具体的な実施条件を決めるケースもあり得ます。
例)月に1回、第2土曜日、○○駅で待合せ、10時~14時まで実施。

この具体的な実施条件の具体度は各夫婦によって変わります。

例えば実施回数と実施日だけ決めればいいと考える方もいれば、
待合場所、実施時間、実施場所まで細かく決めたいと考える方もいます。

具体的な合意の詳細は面会交流の条件を具体的に書く時のひな形をご覧ください。

面会交流の条件は細かく決めるべき?

養育費の条件は細かく具体的に決めるべきとお伝えしましたが、
面会交流の条件については抽象的に決めた方がいいケースもあります。

なぜなら面会交流は子どもの成長という視点で実施するものです。
細かく決め過ぎると硬直化を招いて子どもに不利益を与える可能性があります。
例)子どもは父親に会いたがっているのに月1回という条件がネックになる。

逆に硬直化より優先するべき理由がある状況も考えられます。
例)細かく決めておかないと父親は毎日会いたいと言ってきそう。

以上のことから面会交流の条件は各夫婦によって抽象的だったり具体的だったりとバラツキが起きます。

このバラツキは間違いではなくどちらを決めても正解です。
なお、具体的な条件で合意する場合、面会交流だけで10個以上の条件ができるご依頼者様もいます。

面会交流での抽象的な合意とは?

抽象的な合意とは実施条件を都度協議にすることです。
都度協議だと双方が柔軟な対応をできるというメリットが生まれます。

具体的には以下のように毎回条件を柔軟に変えることができます。

例1「先月は土曜日に実施したけど今月は水曜日に実施する。」
例2「これまでは午前中に実施していたけどこれからは午後にする。」

ただし、面会交流を都度協議で実施する場合、
双方が子どもの成長のために実施するという認識を持つことが大事です。

この認識を忘れているご夫婦が多いのでご注意ください。

なお、離婚原因によってこの認識を持つことが難しい場合は具体的な合意が必要となります。

面会交流の条件を具体的に書く時のひな形

乙は、甲が1か月に1回、長男と面会交流することを認め、毎月第一土曜日に○○公園にて実施する。なお、交流時間は5時間とする。

面会交流の具体的な合意とは細かい合意を言います。
この合意だと以下のように面会交流が硬直化するリスクを抱えます。

夫「土曜日が無理な場合はどうする?」
夫「遅刻してきた場合の交流時間はどうする?」

このように面会交流の条件を細かく決め過ぎた場合、
予想外のできごとが起きた時にトラブルに発展する可能性があります。

ただ上述の通り、具体的な合意がダメという訳ではなく、
ご夫婦の中には硬直化より優先するべき理由がある状況も考えられます。
例)子どもが幼くて親権者の同伴が必要だから細かく決めておく。

また面会交流の条件を具体的な合意で終えた場合、
親権者からすると元配偶者の行動を把握しやすいというメリットがあります。

余談ですが離婚原因が配偶者への不信感だった場合、
面会交流の条件を具体的な合意で終えるご依頼者様が多いです。

以上のことからどちらの方向性で合意をするのかは難しい問題です。

ひな形を利用する時の2つの注意点とは?

① 意味を理解せずにコピペしている
② 複数サイトのひな形をコピペしている

先ずひな形を利用する方はコピペを前提としています。

ひな形には難しい言葉や言い回しが多く含まれています。
この結果、①意味を理解せずにとりあえずコピペをしている方が多いです。

意味を理解していない場合、離婚後にトラブルが起きるかもしれません。
トラブルが起きて後悔しないためにもコピペするなら意味を理解することが大事です。

そしてひな形を利用する方は複数サイトから情報を得ていることが多いです。
なぜなら自分に合ったひな形を1つのサイトで全て見つかる可能性が低いからです。
例)Aサイトは浅いけど全般、Bサイトは養育費、Cサイトは不動産に特化。

各サイトによって表現や言い回しは異なります。
つまり複数サイトからひな形をコピペした場合は同じ条件を二重に記載している可能性があります。

この結果、まとまりがなくわかりにくい離婚協議書や離婚公正証書ができます。
冒頭でお伝えした離婚協議書や離婚公正証書を作成する本当の目的から逸れていきます。

当事務所では離婚協議書などのチェックをする機会が多いです。
ほとんどの方がこの①と②の状況になっているので自分で作成する方はご注意ください。

夫婦間で共有すべき面会交流への考え方とは?

① 子どもの成長を優先する
② 抵抗感があっても実現する
③ 子どもの意思も尊重する

面会交流は子どもの成長に欠かせないものです。
夫婦間にいざこざあったとしても実現できるように努力してください。
例)離婚原因が夫の不倫で2度と顔を見たくないと考えている。

離婚原因が配偶者の暴力だった場合、この考え方と一致しないのでご注意ください。

面会交流は自分目線ではなく子ども目線で考える。この考え方が大事です。

なお、面会交流の条件協議では以下のやりとりは認められません。

妻「養育費は不要です。いりません。」
妻「その代わり面会交流をさせる気もないです。」

面会交流の協議では養育費とリンクさせる方が多いです。
これは間違った考え方なので面会交流と養育費はわけて考えてください。

この考え方を持っている方が意外に多い印象があります。

面会交流の決め方のポイント

面会交流の決め方は子どもの年齢が1番大きなポイントになります。

子どもが自分の意思(希望)を主張できる年齢の場合、
「子どもが望んだ時に実施する」という条件合意をするケースが多いです。

つまりシンプルな条件合意なので細かい条件を決めることはありません。
離婚協議書や離婚公正証書に記載する面会交流の条件は2個程度になります。

なお、子どもが自分の意思を主張できる年齢には個人差があるのでご注意ください。

逆に子どもが幼かったり、配偶者に問題がある場合、
以下のような細かい(具体的)条件合意をするケースが多いです。

細かい条件合意とは?(一例)
・面会交流に親権者同伴
・交流中に親権者の悪口を言わない
・面会交流時の費用負担の取り決め

離婚協議書や離婚公正証書に記載する面会交流の条件は10個程度になります。

余談ですが面会交流中に悪口を言わないといった中傷禁止に関する条件合意をされるご依頼者様が増えています。

子どもが10歳前後の場合はどう決めたらいい?

精神的な年齢が絡んでくるので難しい問題です。

仮に子どもが自分の意思をはっきりと言えるのであれば、
夫婦間で面会交流の条件を決めずに子どもの意思を尊重してください。

なお、当事務所で離婚公正証書を作成するご依頼者様の場合、
中学生以上だと子どもの意思に任せるという条件合意をすることが多いです。

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