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離婚届提出と公正証書作成のタイミングをお伝えします

離婚ブログの著者は行政書士の辻雅清

離婚公正証書を作成する時期(タイミング)については、
手続き上は離婚前でも離婚後(離婚届提出後)でも問題ありません。
例1)離婚公正証書を作成した翌日に離婚届を提出した。
例2)離婚届を提出してから1か月後に離婚公正証書を作成した。

ただし、離婚後に離婚公正証書を作る場合はリスクがあるので、
離婚公正証書が完成してから離婚届を提出することをお勧めします。

つまりブログタイトルの答えとしては離婚公正証書を優先するべきです。
なぜリスクが伴うのかという理由については以下で詳しくお伝えしていきます。

【目次】

○ 離婚後に公正証書を作る1つ目のリスク
○ 離婚後に公正証書を作る2つ目のリスク
○ 公正証書作成の理想的なタイミングとは?
○ 離婚届に関する3つのQ&A
○ 離婚チェックシートの回答から始めませんか?
○ 無料相談から始めませんか?

離婚後に公正証書を作る1つ目のリスク

元妻「公証役場への予約はいつにする?」
元夫「養育費は払うけど強制執行は嫌だな。」

先ず離婚公正証書は全国各地にある公証役場でしか作成できません。
離婚公正証書と似ている離婚協議書は夫婦(自分達)で作ることができます。

離婚公正証書作成の条件として夫婦間に作成意思が必要です。
一方が拒否した場合「作ることを諦める」という選択肢しか残りません。
注)どうしても書面に残したい場合は家裁に調停を申立てることになります。

なぜ元夫は作ることを拒否する?

離婚公正証書には強制執行(差押え)という強い効力があります。
元夫は作成メリットを感じられず「作りたくない」と考えるケースが多いです。
例)養育費の未払いが続いているから元夫の給料の差押えを考える。

離婚届提出後に作成する場合はメリットがないと思う気持ちがさらに大きくなります。

余談ですが元夫にも作成メリットがあることを知らない方が多いです。
この元夫が作成することで得られるメリットは話が逸れるので割愛します。

離婚後に公正証書を作る2つ目のリスク

元妻「公証役場への予約はいつにする?」
元夫「養育費を減額してくれるなら行くよ。」

1つ目のリスクでは効力(強制執行)を理由に拒否していますが、
このように離婚前に合意していた条件を覆すというケースも考えられます。

この状況になると元妻は妥協せざるを得ない状況へ追い込まれやすくなります。
例)減額を受入れないと口約束で終わってしまう。それは嫌だな。

このリスクは離婚届提出前であれば防げた可能性が高いです。

離婚届提出前に公正証書は作成するべき?

離婚届提出前に離婚公正証書を完成させるべきですが、
離婚時の状況に応じて離婚後作成を決断するご依頼者様もいます。
具体的な状況として児童扶養手当の申請、子どもの保育園の入園などがあります。

最後に離婚公正証書作成の理想的なタイミングを以下にお伝えします。

公正証書作成の理想的なタイミングとは?

① 養育費などの条件に合意
② 離婚公正証書を作成
③ 離婚届に署名
④ 離婚届を提出

ご夫婦で作成する場合は公証役場の予約状況に左右されますが、
離婚公正証書作成の申込をしてから2~3週間程度で完成します。

ここ数年はコロナの影響で予約が取りにくいケースが増えているようです。

作成申込日に提出する原案(下書き)に問題があればこの期間は延びていきます。

「原案」とは合意した離婚条件を整理し文字化(書面化)したものです。
ネット上に公開されているひな形、文例、テンプレートなどを原案と言います。

この原案は離婚公正証書の元になる大切なものです。
夫婦間で合意した条件を漏れなく正しく記載するようにしてください。

基本的に作成申込日に完成させることはできません。
完成させるためには作成申込日と作成日の計2回出向く必要があります。

離婚原因にもよりますがこの2~3週間を待てないという理由で、
離婚届を先に提出するという結論を出すのは危険なのでご注意ください。
例)離婚原因が配偶者の不貞行為で同居するのが耐えられない。

以上のことから離婚届提出前に離婚公正証書を作成することをお勧めします。

離婚届に関する3つのQ&A

① 離婚届の提出は必要?
② 離婚届はどこにある?
③ 離婚届に記入する際のポイントは?

①離婚届の提出は必要?の回答は以下の通りです。

夫婦間で離婚の合意ができても協議離婚は成立しません。
離婚届に署名押印(押印は任意)した後に役所に提出することで成立します。

協議離婚の成立条件は離婚合意、親権者決定、離婚届提出、以上3つあります。

つまり離婚届の提出は必要条件となります。

②離婚届はどこにある?の回答は以下の通りです。

お住まいの地域の役所で無料配布されています。ダウンロード版もあります。

なお、離婚後も配偶者の姓を名乗り続けたい場合、
同時に「離婚の際に称していた氏を称する届」も受取ってください。
注)離婚に伴い旧姓に戻る場合は不要な書類となります。

この届は婚姻時に姓を変えた人(主に妻)に必要な書類です。

③離婚届に記入する際のポイントは?の回答は以下の通りです。

離婚届の内容(記入方法)は難しくないです。
ひな形や見本を確認しながら丁寧に記入すれば完成します。

ただし、離婚届には親権者の記入欄があります。
つまり未成年の子どもがいる場合は親権者を決定している必要があります。

この親権者の決定ができない(空欄)場合は離婚届が受理されません。

なお、離婚届を本籍地以外の役所に提出する場合、
離婚届に加えて戸籍謄本(全部事項証明書)が必要なのでご注意ください。

最後に離婚届には面会交流と養育費のチェック欄があります。
仮に「決めていない」にチェックを入れても離婚届は受理されます。

このチェック欄は面会交流や養育費に対する意識向上を目的としています。

ただ面会交流や養育費は子どもの成長に関わる大切な条件です。
離婚前に夫婦間で話し合いをして具体的な条件を定めることが大事です。
例1)子どもとの面会交流は1か月に2回実施する。
例2)子どもの養育費は月5万円を毎月末日までに支払う。

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