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離婚協議書作成の進め方やトラブル例、特徴、書く内容を解説

離婚ブログの著者は行政書士の辻雅清

【目次】

○ わかりやすい完成までの進め方
○ 離婚協議書の3つの特徴とは?
○ 結局、離婚協議書を作成する意味はある?
○ 離婚協議書に書く内容の2つのポイントとは?
○ 離婚後に離婚協議書を作成する場合のトラブル例の経緯
○ 離婚協議書の4つのQ&A
○ 離婚チェックシートの回答から始めませんか?
○ 無料相談から始めませんか?

わかりやすい完成までの進め方

① 夫婦間で離婚協議を始める
② 全ての離婚条件に合意する
③ コピー用紙などを用意する
④ コピー用紙に合意した離婚条件を書く(2部)
⑤ 夫婦双方が④の書面に署名押印する
⑥ 離婚協議書の完成

先ず協議離婚は夫婦間の話し合いで進めていきます。
そして離婚協議書を作るためには全ての離婚条件の合意が必要です。

具体的な離婚条件は夫婦ごとに異なりますが、
主に子どものこと(養育費など)やお金(財産分与や慰謝料)がテーマになります。

婚姻期間が長い夫婦ほど離婚条件が多くなる傾向があります。

次に夫婦間協議の結果、全ての離婚条件に合意ができたらコピー用紙などに以下のように合意した内容を書いていきます。

離婚協議書にはどんな内容を書く?
・養育費は毎月3万円を4年制大学卒業まで支払う。
・慰謝料100万円を25回に分割して支払う。
・預貯金の財産分与として50万円を折半で分配する。

離婚協議書の書き方(文章)がわからない時はインターネット上のひな形や文例を参考にして進めます。

当事務所で公開しているひな形や文例はこちらをご覧ください。
ひな形や文例を見ても書き方がわからない場合は専門家への相談依頼が必要となります。

なお、離婚協議書は手書きでも構わないですがパソコン(ワードなど)での作成をお勧めします。

次に離婚協議書は2部(夫用と妻用)必要です。
注)離婚協議書は養育費などの支払期間終了まで大切に保管してください。

そして離婚協議書ができたら最終ページの甲乙欄に夫婦双方が直筆で署名して隣に実印を押せば完成です。

実印がない場合は事前に役所で印鑑登録をしてください。
登録する印鑑は100円ショップなどで購入できるものでも大丈夫です。

離婚協議書完成までの進め方は以上となります。
離婚後のトラブル防止のためにも①夫婦間協議では納得できるまで話し尽くすことが大事です。

離婚協議書作成に役立つひな形や文例
養育費のひな形と文例を解説付きで掲載‐離婚協議書と離婚公正証書作成
慰謝料のひな形と文例を解説付きで掲載‐離婚慰謝料Q&Aも掲載
財産分与のひな形と文例を解説付きで掲載‐子ども預貯金や生命保険も解説
面会交流のひな形と文例を解説付きで掲載‐考え方や決め方も解説
年金分割のひな形を解説付きで掲載‐3号分割と合意分割の制度も解説
通知義務のひな形を解説付きで掲載‐離婚協議書と離婚公正証書作成
清算条項のひな形を解説付きで掲載‐離婚協議書と離婚公正証書作成
中傷禁止条項のひな形を解説付きで掲載‐離婚協議書と離婚公正証書作成

離婚協議書の3つの特徴とは?

① 自分で作成する場合の費用は0円
② 作るという作業は難しくない
③ 離婚後のトラブル防止に繋がる

離婚協議で合意した条件を書面に残したものを離婚協議書と言います。
人によっては合意書、誓約書と呼ぶ方もいますが大事なのはタイトルではなく中身の文章です。

主な離婚条件として養育費、慰謝料、財産分与などがあります。
協議離婚では夫婦間の話し合いでこれらの条件を決定していきます。
例1)養育費として子どもが20歳まで毎月4万円支払う。
例2)慰謝料として200万円を50回に分割して支払う。

離婚協議書を自分で作成しようと決めた場合、
ボールペンと紙があればできるので①費用は0円となります。
注)行政書士など専門家に作成依頼をすると報酬支払が必要です。

なお、現実的には手書きではなくパソコンでの作成をお勧めします。
なぜなら手書きだと記入ミスなどがあった場合、やり直すことになるからです。
当事務所ではワードで離婚協議書を作成しています。

また自分で離婚協議書を作成する場合、
上述の通り、ネット上のひな形や文例を利用(コピペ)する方が多いです。

このことから②作るという作業自体は難しくないと言えます。
例)夫婦間で合意した条件に一致したひな形をコピペするだけ。

ただ協議離婚は夫婦間の話し合いで進めることになります。
つまり条件の協議という過程は簡単ではなく様々な葛藤を経て最終合意に至ります。

作る作業は難しくなくても協議という過程は簡単ではないと知っておいて下さい。

最後に③離婚後のトラブル防止という特徴をお伝えします。

離婚後、合意した離婚条件について揉めることがあります。
口約束だとどちらが正しい?という判断は難しいですが離婚協議書があると以下のように直ぐに解決します。

元夫「子どもとの面会交流は月2回だろ?」
元妻「違います。月1回実施するという約束です。」

元妻「離婚協議書の第7条の1を見てください。」
元夫「月1回と書いていた。勘違いしていたごめん。」

このように離婚協議書を見れば答えが載っています。
このことから離婚後の不要なトラブルを防ぐという特徴があります。

結局、離婚協議書を作成する意味はある?

離婚後、何かで揉めて勘違いが原因だとごめんなさいで終わります。
一方、元配偶者に悪意がある場合、離婚協議書は有力な証拠となります。
例)口約束だから養育費を5万円ではなく3万円だとウソの主張をしよう。

口約束だとどちらが正しいのかわからないというトラブルに発展します。

なお、ここでは支払者の悪意を例に挙げましたが、
当然に逆のケース(5万円ではなく7万だとウソの主張をする)も考えられます。

つまり離婚協議書の特徴として夫婦双方にメリットがあると言えます。

以上のことから離婚前に離婚協議書を作成しておくことで、
離婚後のトラブルを未然に防ぐという特徴(メリット)が生じます。

離婚協議書に書く内容の2つのポイントとは?

① 各夫婦によって書く内容は異なる
② 自己判断で勝手に書く内容を省略しない

離婚協議書には夫婦間で合意した条件を記載します。
離婚原因や離婚時の状況に応じて書く内容は大きく変わります。

子どもがいる場合は養育費や面会交流を書き、
離婚原因が配偶者の不貞行為(不倫)の場合は慰謝料を書きます。
例1)養育費として高校卒業まで毎月5万円支払う。
例2)慰謝料として200万円を50回に分割して支払う。

なお、面会交流は子どもの年齢に応じて書く内容が変わりやすいです。
以下のように抽象的に書く、具体的に書く2つの方向性にわかれています。

子どもが望めば都度実施する。(抽象的な内容)
毎月1回、第3土曜日の10時から13時まで実施する。(具体的な内容)

当事務所では面会交流を具体的な内容にする場合、10個以上の条件を書くご依頼者様が多いです。

このように各夫婦によって書く内容は異なる。これが1つ目のポイントです。

次に自分で離婚協議書を作成する場合の注意点があります。
それは話し合って決めた内容は省略せずに全てを書くようにして下さい。
つまり自己判断で勝手に書く内容は省略しないということです。

省略する理由として以下のように重要度の低さが考えられます。

夫「預貯金はあまりないし書かないでいいかな?」
妻「それでいいと思う。わざわざ書く必要はないよね。」

妻「自転車はもらってもいいかな?」
夫「僕は乗らないからわざわざ書かなくていいよね。」

省略するということは口約束と変わりません。
つまり配偶者に悪意があれば離婚後のトラブルに発展するかもしれません。
例)離婚後、元夫が自転車に乗りたいと主張してきてトラブルになる。

仮に離婚協議書に自転車の取得者を書いていれば、
元妻が以下のような反論をすれば元夫は何も言えずこれ以上の問題は起きません。
注)厳密には離婚協議書に清算条項という条件を入れることで防げます。

元妻「離婚協議書に取得者を書いてるからあなたの主張は通りません。」

以上のことから自分で離婚協議書を作成する場合は、
重要度が低くて面倒だと感じても合意した内容は全て書くことが大切です。

自己判断で勝手に書く内容を省略しない。これが2つ目のポイントです。

離婚後に離婚協議書を作成する場合のトラブル例の経緯

① 離婚条件に合意する
② 離婚成立を急いでいた
③ 離婚後に離婚協議書を作成すると約束
④ 離婚届を提出する
⑤ 元配偶者が離婚協議書の作成を嫌がる

今回の離婚協議書作成に関するトラブルの原因としては、
離婚成立を急いだことで離婚協議書の作成を離婚後にしたことです。

離婚成立を急ぐ理由は各夫婦によって異なりますが、
以下の例1や例2のように離婚原因や離婚後の生活環境が理由になることが多いです。

例1「夫の不倫が原因だから1日でも早く離婚したい。」
例2「子どもの保育園入園の関係で今月中に離婚したい。」

離婚協議書は離婚前、離婚後どちらのタイミングでも作成できます。
ただし、どちらのタイミングでも夫婦双方に作るという意思が必要です。

元妻「落ち着いたから離婚協議書を作成したい。」
元夫「養育費は払ってるし作らなくてもいいだろう。」

たしかに元夫は養育費などの支払(口約束)について、
離婚してから1度も遅れることはなく期日通り支払ってくれています。
例)養育費として子どもが大学卒業の月まで毎月2万円支払う。

元妻「それでもやっぱり作成したい。」

ただ養育費の支払期間は10年以上残っているので、
元妻の心情としては「念のために作成したい」と考えると思います。

離婚協議書は双方が同意しない限り作成できません。
離婚協議書には双方の署名・押印欄があるので1人では作れません。

上述の通り、離婚協議書はどのタイミングでも作成できます。
ただ離婚後の作成だと元夫が非協力的になることがしばしばあります。
注)離婚公正証書でも同じことが言えるのでご注意ください。

こういう訳で離婚協議書の作成を考えている場合は、
離婚時の状況にもよりますができる限り離婚前に作ることをお勧めします。

余談ですが自分で離婚協議書を作成する場合、
いくつかのハードルはありますが数日で作ることも不可能ではないです。

当事務所でもレアなケースですが2日で完成させたことが1度だけあります。
注)レアケースなので通常はもう少し時間がかかります。

このことから離婚成立を少しだけ待つことができるのであれば、
離婚後に離婚協議書を作成するのではなく離婚前に作成することをお勧めします。

なお、離婚公正証書は公証役場の関与を受けるので数日で完成させることは不可能です。

離婚協議書の4つのQ&A

離婚協議書とはどのような書面ですか?

協議離婚は夫婦間の話し合いで進めることができます。
そして各夫婦によって話し合いで決める離婚条件は多種多様です。

主な離婚条件として養育費、面会交流、慰謝料、財産分与などがあります。
例1)養育費として子どもが20歳まで毎月4万円を支払う。
例2)3年後に支払われる退職金の半分を支払う。

このような離婚条件を書面に残したものを離婚協議書と言います。

なお、協議離婚では夫婦間で決めた条件を口約束で終えても、
離婚協議書のような書面に残すことも各夫婦の自由な意思で決めれます。

口約束で終えても問題はありませんか?

夫婦間で決める条件は数個ではなく数十個になることが多いです。
当事務所では養育費だけでも10個以上の条件を決めるご依頼者様が多いです。

このことから口約束で終えることはお勧めできません。

口約束で終えることがお勧めできない理由とは?

口約束だと証拠がない状況と変わらないからです。

離婚後、元夫婦間でトラブルが起きた場合、
一方の勘違いであれば口約束でも話し合いで解決はできます。
例)養育費の支払額(3万円か4万円)で元夫が勘違いをしていた。

一方、元配偶者に勘違いではなく悪意があった場合、
証拠もないので話し合いは平行線となり解決することが難しいです。
例)養育費4万円だと厳しいから3万円とウソを言ってやろう。

この勘違いや悪意は両者(元夫と元妻)に起きる可能性があります。

トラブル防止のために離婚協議書は必要ですか?

離婚協議書は夫婦間で決めた条件を書面に残したものです。
つまり証拠としての効力があり勘違いや悪意といったトラブル防止に繋がります。

離婚後、元配偶者に勘違いが起きた場合は、
離婚協議書を見れば答えが載っているのでトラブルはすぐに解決できます。
例)離婚協議書に養育費は月4万円と記載されている。

そもそも事前に離婚協議書を確認すればいいだけなのでトラブル自体起きません。

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