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財産分与はナシという結論はあり得るのか?

離婚ブログの著者は行政書士の辻雅清

協議離婚には夫婦間の協議で進めるという特徴があります。
つまり財産分与の条件協議では自由に結論を出すことができます。
例)夫名義の預貯金は半分ずつ分配することで合意した。

我が家には分配する財産は1つもありません。
財産分与の話をするとこのようなお話を伺うことがあります。

本当に財産分与がないというご夫婦は存在するのでしょうか?
このブログではこの疑問について順序立ててわかりやすくお伝えします。

【目次】

○ 財産分与の対象になる財産とは?
○ 動産の財産分与の協議でよく起きる状況とは?
○ 動産の財産分与を効率良く進める方法とは?
○ 動産の財産分与でのトラブル例
○ 財産分与の対象にならない財産とは?
○ 分配割合の3つのポイント
○ 不動産の財産分与でトラブルが起きやすい特徴とは?
○ 離婚チェックシートの回答から始めませんか?
○ 無料相談から始めませんか?

財産分与の対象になる財産とは?

① 一軒家やマンションなど不動産
② 預貯金などお金
③ 電化製品や家具など動産

財産分与では主に①~③の財産の分配について協議します。

たしかに不動産やお金がないというケースは考えられますが、
婚姻期間中に電化製品や家具などは購入しているはずなので動産の協議は必要です。
例)パソコンとテレビは夫、冷蔵庫と掃除機は妻が取得する。

こういう訳で財産分与ないと言えるご夫婦はほとんど存在しないです。

夫婦の財産=不動産や預貯金という印象が強いため、
動産の存在を知らない方が多いのでこれを機会に覚えてほしいです。

動産の財産分与の協議でよく起きる状況とは?

・種類が多いので協議が面倒
・口約束で終わらせたいと考えやすい

たしかに電化製品や家具の種類は多いです。
1つずつ協議すると時間がかかり手間だと考える気持ちは理解できます。

また離婚協議書や離婚公正証書作成を考えている場合、
1つ1つ記載していたら膨大なページ数になることが予想されます。
例)H社製の32型テレビ、T社製の白色エアコン、P社製の冷蔵庫など。

この手間と考える気持ちを和らげる方法を以下でお伝えしていきます。

動産の財産分与を効率良く進める方法とは?

◇ 財産の一覧表を作成する
◇ 大切なモノだけ分配協議をする

先ず動産の一覧表をメモ用紙などに書き留めていきます。
そしてメモを見ながら大切(高価)なモノに絞って分配協議をします。
例1)離婚後の生活にテレビと冷蔵庫が必要だからほしいと考える。
例2)離婚後は実家に戻るから生活家電は不要でパソコンがほしいと考える。

大切なモノ以外は口約束で終えることになりますが、
当事務所ではこの方法で分配協議をするご依頼者様が多いです。

動産の財産分与でのトラブル例

元夫「やっぱり冷蔵庫が必要になった。」
元妻「冷蔵庫は使ってます。今ごろ言われても困る。」

離婚後、双方が新生活を送ることになりますが、
新生活に伴って婚姻中に購入した電化製品は一方が継続使用することが多いです。
例)婚姻中に購入した冷蔵庫は妻が新居で使っている。

離婚協議の際に動産の財産分与を話し合っていないと、
このようなトラブルが起きて新生活のスタートがつまずく可能性があります。
注)今回のトラブル例とは逆で元妻からほしいと言われることもあります。

離婚後トラブルが起きた時に以下のように考える方もいますが、
いざ元配偶者からほしいと言われると気分が良いものではありません。

元妻「たかが冷蔵庫ならいいかな。」
元妻「冷蔵庫なら渡してあげてもいいかな。」

こういう訳で動産の協議をしないという結論はお勧めできません。

なお、離婚協議で決めた財産分与の条件を書面に残した場合、
このような離婚後のトラブルが起きないように防ぐことができます。
書面とは離婚協議書や離婚公正証書のことです。

財産分与の対象にならない財産とは?

◇ 相続で得た財産
◇ 独身時代に購入した財産

財産分与で話し合うのは婚姻中に夫婦で得た財産だけとなります。

つまり相続で得た個人的な財産(不動産など)、
独身時代に貯めていた預貯金(例外あり)や購入した動産は対象から外れます。

財産分与の協議では財産の一覧表を作ることから始めますが、
完成後に対象になる・ならないの取捨選択することを忘れないでください。

この取捨選択を間違えるとは不要な協議をしたり、
協議離婚成立までの期間が延びてしまうのでご注意ください。

分配割合の3つのポイント

① 夫婦間の協議で決める
② 折半(50%)での分配が妥当
③ 柔軟な対応をするケースもある

先ず協議離婚は夫婦間の協議で進めることになります。
つまり財産分与の分配割合は双方が納得できれば終了となります。
例)預貯金150万円を夫が70万円、妻が80万円取得する。

なお、財産分与以外の離婚条件も夫婦間協議で決めることになります。

分与割合はどう決めればいいですか?

一般的に②折半(50%)が公平で妥当と考えられます。
当事務所でも折半で最終合意になるご依頼者様が多い印象です。
例)預貯金150万円を夫が75万円、妻が75万円取得する。

なお、財産分与では預貯金の名義人は関係ありません。
つまり夫名義でも妻名義でも財産分与で分配する財産となります。

折半以外の割合で分配してもいいですか?

離婚時の状況や環境に応じて折半ではなく、
以下の状況の場合、③柔軟な対応をすることもあります。

妻「離婚後、数年間はフルタイムで働けない。」
夫「子どもが幼いからフルで働くのは難しいよね。」

この状況では夫婦間で子どもの成長を最優先に考えて、
離婚後の生活費の足しにするために妻に多く分配するという選択もできます。
例)預貯金150万円を夫が30万円、妻が120万円取得する。

ちなみに共働きのご夫婦は双方に経済的な余裕があるため、
家庭の財布をわけていることが多く折半しないという選択をすることがあります。
例)夫名義の預貯金は夫が取得し妻名義の預貯金はは妻が取得する。

こういう訳で財産分与の分配割合は折半が妥当ですがご夫婦の状況に応じて別の割合で結論を出すこともあり得ます。

不動産の財産分与でトラブルが起きやすい特徴とは?

・購入して間もなくてローン残高が多い
・連帯債務、ペアローンを組んでいる
・単独名義ではなく共有名義になっている

不動産の財産分与では住宅ローンの有無がポイントになります。
住宅ローンがあると銀行の関与を受けるので夫婦間で自由な結論を出しにくいです。
例1)不動産を売却してもローンが残るので売却できない。
例2)ローンが残っているので財産分与で名義変更ができない。

ただ自由な結論を出せなくても最善の選択肢があるかもしれません。
この状況のご夫婦は依頼の有無は別として専門家への相談をお勧めします。
例)連帯債務で悩んでいたら銀行への脱退相談を勧められた。

最後に不動産の財産分与協議では難航することがあっても諦めずに根気よく話し合うことが重要です。

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