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財産分与のひな形をわかりやすく解説

離婚ブログの著者は行政書士の辻雅清

離婚協議書や離婚公正証書原案作成に役立つひな形をお伝えします。

ここでは財産分与の基本的なひな形(テンプレート)を公開します。
当事務所でも利用しているので自分で作成される方は参考にしてください。
注)わかりやすいように細かい表現や文言は削ったひな形です。

財産分与ひな形の解説の前に1点だけ大事なことをお伝えします。

離婚協議書や離婚公正証書の作成目的は完成ではありません。
離婚後のトラブルや未払いを防ぐことです。この意識が欠けると後悔します。
例)離婚条件を書面に残したのにトラブルが起きていたら作った意味がない。

【目次】

○ 財産分与のひな形と文例
○ ひな形の1つ目のポイントは預貯金の名義人
○ ひな形の2つ目のポイントは受領日とその金額
○ 子ども名義の預貯金のひな形は?
○ ひな形を利用する時の2つの注意点とは?
○ 生命保険は財産分与の対象になる?
○ 離婚チェックシートの回答から始めませんか?
○ 無料相談から始めませんか?

財産分与のひな形と文例

甲及び乙は、甲名義の預貯金の財産分与として、令和5年12月25日に、金100万円を各自50万円ずつ受領した。

財産分与で分配する財産の種類は数多くあります。
主に預貯金、不動産、動産(家具や電化製品)が考えられます。

ここでは多くのご夫婦が検討する預貯金の財産分与のひな形を解説していきます。

ひな形の1つ目のポイントは預貯金の名義人

財産分与とは婚姻中に形成した財産を清算(分配)することです。
預貯金の名義人がどちらであってもこの条件に該当すれば対象財産となります。

つまり夫名義の預貯金というだけで夫固有の財産とは言えません。
逆に妻名義の預貯金も条件に該当すれば財産分与で清算する財産になります。

ひな形の2つ目のポイントは受領日とその金額

このひな形には離婚後のトラブルを防ぐ役割(証拠)があります。
受領日、合計額、分配額、以上3点については具体的な数字で記載してください。

例えば離婚後に分配額(元妻が60万円と主張)で揉めた場合、
離婚協議書や公正証書を確認すれば答え(各自50万円)があるので解決します。

ひな形のように具体的な数字を書くことで証拠としての価値が増します。

なお、分配割合は折半(50%)が妥当だと言われていますが、
協議離婚は話し合いで解決を目指すので折半以外の割合で合意しても構いません。
例)専業主婦だった妻の生活資金として7対3で分配する。

ちなみに離婚協議書や離婚公正証書に証拠の合意を記載する場合、
離婚後の追加請求や蒸し返しを防ぐ清算条項もセットで記載してください。

預貯金の財産分与ではこの2つのポイントが大事です。
証拠という効力は不動産や動産(家具や電化製品)の財産分与でも同じ扱いです。
注)不動産の財産分与は複雑な事例が多いので専門家への相談をお勧めします。

子ども名義の預貯金のひな形は?

子ども名義の預貯金は預金をした経緯で判断していきます。

仮に子どもの将来を見据えて貯蓄であれば対象になります。
逆に子どもが受取ったプレゼントやお年玉は子ども固有の財産となり対象外です。
例)大学進学を見据えて生活費の余りを入金(貯蓄)していた。

ただ預金の経緯が貯蓄であっても子どもの将来を考慮した結果、
親権者に教育資金として託す。という結論を出すケースもあり得ます。

この結論を離婚協議書や離婚公正証書に記載する場合のひな形は以下の通りです。

乙は、子ども名義の預貯金について、離婚後も子どものために使用することを約束する。

これは証拠(意識付け)としての効力があります。
このように財産分与では証拠の記載が多くなる傾向があります。

ひな形を利用する時の2つの注意点とは?

① 意味を理解せずにコピペしている
② 複数サイトのひな形をコピペしている

先ずひな形を利用する方はコピペを前提としています。

ひな形には難しい言葉や言い回しが多く含まれています。
この結果、①意味を理解せずにとりあえずコピペをしている方が多いです。

意味を理解していない場合、離婚後にトラブルが起きるかもしれません。
トラブルが起きて後悔しないためにもコピペするなら意味を理解することが大事です。

そしてひな形を利用する方は複数サイトから情報を得ていることが多いです。
なぜなら自分に合ったひな形を1つのサイトで全て見つかる可能性が低いからです。
例)Aサイトは浅いけど全般、Bサイトは養育費、Cサイトは不動産に特化。

各サイトによって表現や言い回しは異なります。
つまり複数サイトからひな形をコピペした場合は同じ条件を二重に記載している可能性があります。

この結果、まとまりがなくわかりにくい離婚協議書や離婚公正証書ができます。
冒頭でお伝えした離婚協議書や離婚公正証書を作成する本当の目的から逸れていきます。

当事務所では離婚協議書などのチェックをする機会が多いです。
ほとんどの方がこの①と②の状況になっているので自分で作成する方はご注意ください。

生命保険は財産分与の対象になる?

生命保険は契約内容によって判断していきます。

掛け捨てタイプ(保険料が安い)は財産分与の対象になりません。
逆に解約返戻金タイプ(保険料が高い)は財産分与の対象になってきます。

解約返戻金タイプの生命保険ではいくつかの分配方法がありますが、
1番わかりやすいのは生命保険契約を解約して返戻金を分配することです。
例)解約返戻金100万円を50万円ずつ分配した。

ただ生命保険契約を解約するという分配方法の場合、
離婚後に再加入ができない、保険料金が上がるというデメリットがあります。
例)過去の入院歴で引っかかって新規の生命保険契約ができない。

このデメリットを考慮して別の選択肢を選ぶご依頼者様も多いです。
別の選択肢の詳細についてはお気軽にご相談ください。お待ちしております。

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