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離婚公正証書作成時の公証役場手数料の計算方法を解説

離婚ブログの著者は行政書士の辻雅清

離婚公正証書作成時に気になるのが公証役場へ支払う手数料です。

支払う公証役場手数料を知りたいという疑問について、
ここでは具体例を交えながらわかりやすくお伝えします。

【目次】

○ 公証役場手数料とは?
○ 養育費の公証役場手数料の計算方法
○ 慰謝料の公証役場手数料の計算方法
○ 財産分与の公証役場手数料の計算方法
○ 不動産の財産分与はどう計算する?
○ 不動産を所有していると公証役場手数料は発生する?
○ 複数条件の公証役場手数料の計算方法
○ 離婚チェックシートの回答から始めませんか?
○ 無料相談から始めませんか?

公証役場手数料とは?

1.書面料金などが必要
2.目的価額から算出される

1と2を合算したものが公証役場手数料です。

先ず書面料金などとは主に離婚公正証書の冊子代です。
文字数(枚数)に左右され平均1万円程度(送達料金含む)になることが多いです。

送達料金とは債務者(主に夫)に離婚公正証書を郵送する料金を指します。
注)ご夫婦が公証役場に出向いて作成する場合は郵送料金のみ不要です。

次に目的価額とは以下の通りです。(表1)
・100万円までは5,000円
・200万円までは7,000円
・500万円までは11,000円
・1000万円までは17,000円
・3000万円までは23,000円
・5000万円までは29,000円

目的価額は合意した金銭支払の条件(養育費など)の総額から計算されます。
各夫婦によって差が生じます。総額が高い場合は高くなり低い場合は低くなります。

目的価額の考え方は次の具体例を用いて解説していきます。

養育費の公証役場手数料の計算方法

◇ 子どもは1人(5歳)
◇ 養育費は毎月3万円を20歳まで支払う

このケースでは養育費の目的価額を計算します。

目的価額=月3万円×1人×10年間=360万円

養育費の目的価額は360万円となります。
表1に当てはめると500万円までに該当します。
つまり公証役場に支払う手数料は11,000円となります。

あとは書面料金などの費用1万円を加算すれば、
離婚公正証書作成時にかかる公証役場手数料は21,000円となります。

なお養育費の目的価額は10年間で計算します。
ただし支払期間が10年未満の場合は実際に支払う期間で計算します。
例)支払期間が10年間ではなく4年間の場合は3万円×4年間で計算する。

最後に子どもが複数いる場合の目的価額は合算して計算します。
例)月3万円×2人×10年間=720万円で公証役場手数料は17,000円。

慰謝料の公証役場手数料の計算方法

◇ 慰謝料の支払額は150万円
◇ 離婚後に5万円×30回の分割払い

このケースでは慰謝料の目的価額を計算します。

目的価額=分割で支払う金額の合計=150万円

慰謝料の目的価額は150万円となります。
表1に当てはめると200万円までに該当します。
つまり公証役場に支払う手数料は7,000円となります。

あとは書面料金などの費用1万円を加算すれば、
離婚公正証書作成時にかかる公証役場手数料は17,000円となります。

なお慰謝料150万円の内、前金として90万円を受取っていた場合、
分割で支払う金額は60万円(150-90)となり目的価額が変わります。
前金は過去(証拠)の話となるため目的価額には含めないことになります。

つまり慰謝料の目的価額は150万円ではなく60万円となります。
表1に当てはめると100万円までに該当し公証役場手数料は5,000円となります。

前金が出てくると公証役場手数料の計算方法が難しくなってきます。

財産分与の公証役場手数料の計算方法

◇ 財産分与の支払額は100万円
◇ 離婚後に2万円×50回の分割払い

このケースでは財産分与の目的価額を計算します。

目的価額=分割で支払う金額の合計=100万円

財産分与の目的価額は100万円となります。
表1に当てはめると100万円までに該当します。
つまり公証役場に支払う手数料は5,000円となります。

あとは書面料金などの費用1万円を加算すれば、
離婚公正証書作成時にかかる公証役場手数料は15,000円となります。

不動産の財産分与はどう計算する?

不動産の財産分与では評価額を調べる必要があります。

評価額は固定資産税の納税通知書に記載されています。
毎年1回(4月~5月頃)お住まいの地域の役所から郵送されます。
例)土地の評価額は500万円、建物の評価額は300万円と記載。

目的価額=不動産の評価額の合計

一軒家の評価額は固定資産税の用紙を見れば直ぐにわかりますが、
マンションの評価額は計算が難しいことが多いので専門家への相談をお勧めします。

不動産の財産分与が伴う場合は公証役場手数料が高くなりやすいのでご注意下さい。

不動産を所有していると公証役場手数料は発生する?

夫婦間協議の結果に応じて発生するケース、発生しないケースがあります。

発生するケースとは?
・自分名義の不動産を配偶者に渡す(単独名義)
・自分の持分を配偶者に渡す(共有名義)

公証役場手数料が発生するのは名義変更(移転登記)をおこなうケースです。
つまり名義変更が伴わない条件で合意した場合は公証役場手数料が発生しません。
例)夫名義の不動産は夫が取得する。夫の持分は夫、妻の持分は妻が取得する。

どんな結果でも公証役場手数料が発生すると考えている方が多いのでご注意下さい。

複数条件の公証役場手数料の計算方法

◇ 子どもは2人(8歳と12歳)
◇ 養育費は毎月5万円×2人で20歳まで支払う
◇ 慰謝料の支払額は300万円
◇ 離婚後に5万円×60回の分割払い
◇ 財産分与で夫名義の不動産(一軒家)を妻に渡す
◇ 評価額は土地が800万円で建物が600万円

このケースでは養育費、慰謝料、財産分与の目的価額を計算します。

養育費の目的価額=月5万円×1人×8年間=480万円(A)
養育費の目的価額=月5万円×1人×10年間=600万円(B)
慰謝料の目的価額=分割で支払う金額の合計=300万円(C)
財産分与の目的価額=不動産の評価額の合計=1400万円(D)

複数条件下での目的価額のポイントとは?
・子どもが複数いる場合の養育費は合算する
・慰謝料と財産分与は合算する

複数の条件があるご夫婦の場合、全て単独で計算するわけではなく、
養育費グループ(養育費のみ)とその他グループ(慰謝料と財産分与)で計算します。

つまり養育費はA+B、その他はC+Dとなります。

養育費の目的価額は1080万円となります。
表1に当てはめると3000万円までに該当します。
つまり公証役場に支払う手数料は23,000円(①)となります。

次に慰謝料と財産分与の目的価額は1700万円となります。
表1に当てはめると3000万円までに該当します。
つまり公証役場に支払う手数料は23,000円(②)となります。

このケースでの公証役場手数料は①+②=46,000円となります。

あとは書面料金などの費用1万円を加算すれば、
離婚公正証書作成時にかかる公証役場手数料は56,000円となります。

なお年金分割の合意書作成にかかる手数料については、
養育費などの計算方法とは異なって公証役場手数料は一律5,500円です。

当事務所では夫婦間である程度の条件合意ができていれば、
公証役場手数料の予想額をお伝えできます。お気軽にお問合わせ下さい。

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